全部捨てるプロ魂【仕事 追い込まれたら】
「出し惜しみしちゃダメよ」
という先日のメルマガでご紹介した、
脚本家の橋田壽賀子さんの言葉が、
今朝の日本経済新聞で紹介されていました。
脚本家の内館牧子さんが、
橋田壽賀子さんを悼んで
書かれた記事です。
追い込まれたら
それだけ内館牧子さんの心に
残っている言葉なのですね。
その他の言葉も、
内館牧子さんの行動も、
「さすがだぁ!」と思わせることがあり、
今の私に響きました。
一部を引用してシェアしますね。
NHK朝の連続テレビ小説「ひらり」の
脚本を書くことが決まった内館さんと
大先輩の橋田さんの会話です。
(ここから)
「出し惜しみしちゃダメよ」
「え?」
「長丁場のドラマだから、
先々もつまいと恐れて
水増ししがちなの」その通りだった。
私も恐れて、
実は水増ししたあらすじを
最終回まで作っていた。「出し惜しみしないで、
どんどん書いて、
見ている人を楽しませなさい」「でも、
途中で書くことがなくなったら…」「大丈夫。
追い込まれたら、
必ず次のいい手が見つかるものよ」私は帰宅するなり、水増しした
151回分のあらすじを全部捨てた。
(日本経済新聞2021年4月13日付)
(*改行はこちらで勝手にしています)
「追い込まれたら、
必ず次のいい手が見つかる」
これって、
めちゃくちゃ怖い。
とはいえ、
この追い詰められてから
いいのが出るというのを、
分かる方も多いのではないでしょうか?
切迫した状況に置かれると、
普段には想像できないような力が出る、
「火事場の馬鹿力」
という言葉もあるくらいですから。
「必ず次のいい手が見つかる」
って言い切ってらっしゃるのが、
またいいですよね。
そう信じ切る。
そうして何とかしていくうちに、
自分への信頼感が少しずつ、少しずつ、
積み重なっていくのだと思います。
前回のメルマガでも
お伝えした通り、
「今日の最高を出し続ける」
ですね。
今回、心を奪われたのは、
この部分、
「151回分のあらすじを全部捨てた」
です。
「え~っ、全部捨てる!?
私には出来ないかも…」
と思ってしまいました。
内館さんの
言われたことを即実践する「素直さ」。
書いたものを全て捨てた「いさぎよさ」。
そして、作品に対する「覚悟」。
だからこそ、脚本家として
数々の有名な作品を
世に送り出されている内館さんが
いらっしゃるのかな。
プロ魂をみた気がします。
中途半端じゃ、
中途半端な仕事しかできない。
そんなことを
突きつけられたような気がしています。
あなたはいかがでしょうか?