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2021-10-29

コピーの変化と言語化の意味【言語化 思考】

ずーっと違和感を抱いていたことを
ある本を読んで、
とても納得したことがありました。

こうした言語化というのは、
カウンセリングやコーチング、
指導される立場の方には
参考になるかと思います。

まずは言語化からスタート

個人的な話ですが、
中学生時代の夢は、
「コピーライター」でした。

糸井重里さんや林真理子さんに
憧れていたんです。

短い言葉で人を動かすって
「なんてかっこいいんだろう」
と思っていました。

大人になり、そんな話をすると
「夢を叶えたんですね!」
なんて言われ、

「そうかもしれないけど、
何かが違う…」
と、ずーっと思っていました。

(注*私はコピーライターではないですが、
コピーを書くこともあるため)

その違和感が、次の文章で
すっと腑に落ちました。

少々長いですが、引用します。
(ここから)

ネット社会になる前の1980年代から
90年代はじめの頃の広告が、
なぜあのように観賞用の作品として
上質でおもしろいものが多かったのか、
その理由が判明しました。

その当時は、広告会社のコミットメントは、
「売れる」ところまではカバーしていなくて、
その手前の「認知される」ところが目標だった

<中略>

広告それ自体のおもしろさや美しさなど、
見た人を感動させ憧れさせるようなクオリティを
追求することができたわけですね。

<中略>

「おいしい生活」(82年)
「Hungry?」(92年)
「なにも足さない。なにも引かない。」(92年)など、
トレンドや世相を作るような、
場合によっては時代の生き方・感じ方を
くすぐるようなメッセージを出せた
ということはあると思います。

『ほんとうの「哲学」の話をしよう-哲学者と広告マンの対話』
(著者 岡本裕一朗/深谷信介)

ネット社会の今となっては、
広告が、「売れる」ところまで
カバーする必要が出てきて、
コピーも変わってきたわけです。

マーケティングが必要になったわけですね。

以前ご紹介した言葉を使えば、
================
マーケティングは、
「人の欲望」を刺激する
テクニックの集大成
================
ですから、

「認知させるコピー」から
「クリックさせるコピー」に
変化したということになります。

私が、違和感を抱いていのは、
「これだー!!」
と、一種の謎が解けたような爽快感と
衝撃を受けながら、深く納得して
グリグリに線を引いていました。

私が、コピーに憧れていたのは、

トレンドや世相を作るような、
場合によっては時代の生き方・感じ方を
くすぐるようなメッセージを出せると
思っていたからだったのに、

コピーの役割が、
時代の変化とともに変わっていたから
「夢が叶った」感じがしなかったんですね。

とはいえ、ネット時代にならなければ、
私自身がコピーを書くことにも
ならなかったのかもしれませんけど(苦笑)

例え話が長過ぎてしまいました…。

私が伝えたかったのは、
この言語化のパワーです。

今は「共感の時代」と
言われることがあります。

カウンセリングやコーチングでは、
「傾聴」が大事といわれます。

「共感」や「傾聴」もいいですが、
ただ、
「そうですよね」とか、
おうむ返しに同じ言葉を繰り返されるより

思考や感情を別の言葉で
「言語化」された方が、
相手は、気づきや発見が大きく、
次へ進める気がしませんか?

表面上で相手に合わせるのではなく、
言語化によって、
さらに相手の思考や感情を
鮮明にさせるということ。

言語化されたことによって、
現実が少しでも露わになることで、
どうすればいいのか、
どうしたいのかが
見えてくるからです。

ソシュールが言っている通り
私たちは、言葉という
フィルターを通してしか、
世界について考えることができません。

だから、まずは言語化から
スタートなのです

カンタンではないことも多いですが、
お互い言語化に向き合っていきましょう。

カウンセリングやコーチング、
指導される立場の方には
特に参考になさってくださいね。