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2016-08-26

【No.94】60人に1人か、1.7%か。

朝晩は、虫の声に秋を感じます。
大阪の日中は、まだまだうだるような暑さです。

お手紙なら、次のように始めるのかもしれませんね。

「朝晩は、涼しい秋の足音を感じるようになりました。
いかがお過ごしでしょうか」

「厳しい日差しがまだまだ続きますが、いかがお過ごしでしょうか」

もうすぐ到来する秋に焦点をあてるのか、
過ぎ去る夏に焦点をあてるのか。
印象が違ってきます。

同じコトをいうのに、表現の仕方次第だなと、
よく広告を見ながら思います。

今朝の日経新聞に、こんな広告のコピーがありました。

「日本に暮らす60人に1人は、外国人です」(NTT docomo)

はじめは、
「へぇ、60人に1人かぁ。
私の知り合いだと、3人かな? そんなものかな~」
なんて感じていました。

ふと気になって、パーセントでいったらいくつなの?
と思い、計算してみたら、「1.7%」。
100人に、1.7人です。

あなたなら、次のどれが一番ピンときますか?

A:「日本に暮らす人の1.7%は、外国人です」

B:「日本に暮らす100人に1.7人は、外国人です」

C:「日本に暮らす60人に1人は、外国人です」

私が、ピンときて、印象的なのは、広告で使われていた
C:「日本に暮らす60人に1人は、外国人です」。

さらに、A~Cのなかで、一番多く感じませんか?

Aの「1.7%」は、比較するにはいいですが、少ないなぁで終わります。

Bの「1.7人」っていう人数は、数字上はありえるかもしれませんが、
現実にはそんな人はいません。
だから、具体的に想像ができないんです。
(広さや、大きさ、容量なら、小数点以下があっても、想像できます)

Cの60人に1人なら、鮮明に想像できます。
(「2クラスに1人かぁ」など)
意外に多いんだな、少ないんだなと、
自分の身近な<具体例>と置き換えられます。

人の例を示す場合は、パーセント表示もいいですが、
「●●人に1人」がわかりやすいですね。

数字のトリックで、よくある例でいえば、単位。

ビタミンC 1gより、
ビタミンC 1000mgの方が多く感じます。

どこにもウソはないのですが、感じ方が違います。

夏休みが終わって、2学期がスタートした学校も多いのでしょうね。
→2学期の始まりが強調。あと2学期と、3学期がある! という感じ。

もうすぐ9月。2016年もあと4ヵ月ちょっとです。
→もう今年も残り少なくなってきた感じ。

同じ2016年8月の終わりという時は一緒。
なのに、印象は変わってきます。

どこに焦点をあてるのか。
どこに焦点をあててほしいのか。

あなたが、何を伝えたいのかによって、
ふさわしい表現が変わってきます。

表と裏、角度、立ち位置、見方を変えて、
商品やサービス、ご自分や他人を見たら、
また違った魅力がみえてきそうです。