【No.122】気遣うコトバ、かけてますか?
あるメモを探していたら、
探しながら、約8年前の電車での出来事を思い出しました。
小さなコトですが、私にとってはとても印象的な出来事でした。
朝の通勤ラッシュがおさまり、それほど混んでいない電車の中。
私は立って本を読んでいました。
つり革を持つことなく、両手で本を持ちながら。
すると、急ブレーキがかかり、
となりのつり革を持っていた男性の肘が、私のおでこに、
「ゴチッ」。
「イタッ」。
本の世界に浸っていた私は、思わず
「ムッ」として、となりの男性を見上げると、
「大丈夫ですか?」
「あっ、ハイ」
心の狭い私は、
「すみませんって謝ってよ!」くらいに思っていたのですが、
「大丈夫ですか?」というコトバに、一瞬ビックリし、
自分が恥ずかしく、そして、温かい気持ちになりました。
急ブレーキをかけたのも、
私がつり革を持たずに安定感を失ったのも、
となりの男性には、否はありません。
「すみません」
というコトバの倍以上、いや、比べものにならないくらい、
私は、穏やかな気持ちになりました。
「すみません」
は、安易に、一応謝っておこう的なときにも、使われるコトバです。
あの場では、よく考えれば、彼が悪いわけではありません。
「大丈夫ですか?」
には、相手を気遣う気持ちが込められています。
自分の気持ちを表すのも大事ですが、
人を気遣うコトバが、とっさに出たとなりの男性に、感動しました。
感動したわりには、その男性が
若かったのか、同じくらいなのか、ご高齢だったのかも、
さっぱり覚えていないんですけどね(笑)
こんなことをツラツラと思い出していたら、
つい最近あった、
車のバッテリーが上がって動けなくなった日のことを思い出しました。
数年前まで、ほとんど運転をしなかった私は、
バッテリーが上がって動けなくなるなんて、初体験!
夫は仕事中だし、JAFにも入ってない。
途方にくれて、とりあえず、車を買ったディーラーさんに電話。
(頭では関係ないと知りつつ、電話していました)
すると、担当者の方は不在…。
またまた途方にくれていると、電話に出られた方が、
こう聞いてくださいました。
「どうされましたか?」
状況を説明し(説明しながら、落ち着いてくる)、
JAFは? 保険のロードサービスは?
と、聞かれるうちに、冷静になって、
保険のロードサービスに連絡しますと、電話を切りました。
結局は、1時間後に保険のロードサービスに来てもらい、
無事、帰宅。
その後、電話したディーラーさんのところで、バッテリー交換したのでした。
何が言いたいかっていうと、
人は、気遣うコトバに弱いということ。
電車の男性の「大丈夫ですか?」
ディーラーの「どうされましたか?」
(たとえ営業トークとわかっていても)
言われた方は、
やわらかい気持ちになるのですよ。
そういえば、確か中学生のころ、みんなと遊んで帰るとき、
Tさんが
「気をつけて帰ってね」
と言ってくれたこと、いまだに覚えています。
(稲刈りが終わった、田んぼの細い道だったなぁ)
今では、それほど記憶に残るコトバではありませんが…(苦笑)。
多分、同年代から言われた最初でした。
Tさんが、大人に感じました。
人を気遣うコトバ、ちゃんと使っていますか?
いろんなコトを思い出しながら、
自分は、感心しているだけで、
ちゃんと出来ているのだろうか…と思ってしまいました。